歯石除去について〜1回から数回かかる人の状態と費用、治療法まで〜

1.歯石とは:放置すると歯周病を引き起こすリスクも

歯石とはプラーク(細菌の塊)や血液が唾液の中のカルシウムやリンなどのミネラル成分と結びついて石のように固くなったものを歯石と言います。 簡単に言うと口の中で歯の周りにつく石のようなものです。

歯石自体は石なので悪いものではありません。 しかし歯石は放置することで歯周病を引き起こしてしまうリスクがあります。 歯石は軽石のように小さな穴が空ていて、そこを住みかに細菌が繁殖し、毒素を出します。 その毒素が歯茎を腫らせたり、歯の周りの骨を溶かす歯周病の原因になるのです。

歯周病というのは糖尿病、心臓病、脳卒中、慢性腎疾患、肺炎、骨粗しょう症、癌および早産などの合併症を伴うこともある怖い状態です。 歯石の状態レベルとそれにあった治療方法を理解しておきましょう。

2.歯石が付く3つのレベル

レベル1 白い歯石(症状はない)

歯茎の上に出ている白い歯石は付いても症状はありません。白い歯石は乳児や子供にも見られる歯石で唾液と歯垢によってよってできた歯石です。特に唾液が出る穴がある下の前歯の裏や上の奥歯の頬側にできます。

レベル2 黒い歯石(歯茎からの出血)

黒い歯石は歯茎からの出血と唾液によってできた歯石です。歯ブラシやデンタルフロスの時に出血がある方にはできやすい歯石です。症状は歯茎の出血、赤み、口臭などがあります。痛みなどの強い症状は少ないです。

レベル3 歯周ポケットの5mm以上の深い部分にある歯石(歯茎の腫れ)

歯周ポケットの深い部分にある歯石は歯茎が大きく腫れたり、痛みが出たりします。深い部分の歯石は細菌の巣となり、歯の周りの骨を急速に溶かす原因となります。

3.歯石の付着レベルによる治療法

レベル1 白い歯石を取るスケーリング

歯石除去は超音波の振動を与えながら歯石を粉砕する超音波スケーラーというもので除去して行きます。特に歯茎の上の柔らかい歯石は比較的簡単に取れます。歯石はどんなに歯を磨いていても徐々に形成されていき、誰にでもできてしまうものなので、特に問題がなくても定期的に歯科医院を受診して除去してもらう必要があります。

治療回数と費用

治療回数・・・1〜2回 費用は目安・・保険診療3割負担の方で1回の診療分が1,500円〜3,000円程度

レベル2 黒い歯石を取るディープスケーリング

血液を含む歯茎の中にできてしまった黒く硬い歯石は、歯にこびり付いています。歯と歯茎の隙間の歯周ポケット内の歯石は歯周病の原因となるものです。
超音波の振動や歯石を取る細い器具を使って取って行きます。この時、歯茎が腫れていたり、出血があると取り残しが増えるため、出血が無い歯茎の状態にしてから、歯石を取る必要があります。
歯周病ポケットの深さは4mmまではこのディープスケーリングで対応します。それ以上になると器具が届かないため、外科的な処置が必要になります。

治療回数と費用

治療回数・・・3〜6回 費用は目安・・保険診療3割負担の方で1回の診療分が1,500円〜3,000円程度

レベル3 歯肉剥離掻爬術(しにくはくりそうはじゅつ・フラップ手術)

5mm以上の歯周ポケットの中の歯石を取るために、麻酔をし歯茎に切開を入れて、歯茎を開いて歯石が見える状態にして取り除いていく方法です。歯の根は複雑な形をしており、5mm以上の歯周ポケット内の歯石を取り残さないために行います。また、同時に歯茎の中の骨の形を整えることによって歯周ポケットを浅くする方法も行います。

骨を作る処置を同時に行うこともある

歯の周りの骨が極端に減っている場所にはフラップ手術と同時に骨を作る処置を行います。骨を作ることによって深い歯周ポケットがなくなり、歯石が溜まりにくくなります。

治療回数と費用

治療回数・・・1〜6回(治療はディープスケーリングが終了してから行います) 
処置時間・・・1時間程度
費用は目安・・保険診療3割負担の方で1回の診療分が5,000〜20,000円程度

歯石除去を行ってもらう歯医者選び方のポイント

ホームページ等で確認しておくことがポイントです。

・歯磨きやデンタルフロスの使い方を教えてくれるところ

歯石原因は歯垢や出血です。毎日の歯磨きやデンタルフロスの使い方が悪ければすぐに歯石がついてしまいます。健康な歯茎を維持するために、正しい歯磨きやデンタルフロスの使い方を教えてくれるところがおすすめです。

・定期的にメンテナンスを行ってくれるところ

歯石が歯茎の中まで広げないためには、歯石が柔らかいうちに取ることが重要です。黒い歯石になってからでは回数も費用もかかります。定期的に歯のメンテナンスを行えば1回の治療で歯石取りが終ります。

・マイクロスコープで治療をしてくれる歯医者

フラップ手術を行う場合は歯の表面の歯石を取り残さないようする必要があります。マイクロスコープを使うことによって細部まで確認しながら治療を行うことができるので、マイクロスコープで深い歯石の除去を行っている歯医者はおすすめです。

・写真や動画で自分の歯の状態を説明してくれる歯医者

自分の歯石の状態や歯茎が治った状態などの変化を写真や動画で説明してくれる歯医者はおすすめです。歯石を取ってもらってもどのような変化があるか自分自身では分かりにくいものです。写真や動画で変化を教えてもらえれば、歯石がついているとどれだけ不潔なのか、歯石を取ればどのように歯茎の腫れが改善するかを教えてもらえます。

自宅でできる歯石の予防法

毎日プラークをしっかり落とす

歯石は唾液、プラーク、血液から出来ています。唾液は体や歯にとって欠かせないものです。しかし、プラークは歯磨きとデンタルフロスを正しい使い方で行えば防ぐことができます。プラークは24時間で作られ、48時間で歯石になります。最低寝る前に1回、徹底的にプラークを落とすことでと歯石を予防することができます。

出血のない歯茎を保つ

歯周病で歯茎や歯周ポケット内に出血があるとそれが歯石になっていきます。歯周ポケット内の出血は自分では気づきにくいもので、この出血が歯周病菌の活発度合いも示しています。出血のない健康的な歯茎を維持することで、歯石を予防できます。

歯の表面をツルツルにする

歯の表面に傷があったり、ざらざらしていると歯石が付きやすくなります。研磨剤の粒が大きな歯磨き粉など使うと歯石が付きやすくなります。お勧めの商品は美白用歯磨き粉のライオンブリリアント・モアなど、歯の表面をツルツルさせる効果のものが有効です。また、歯医者で歯石除去後にリナメルトリートメントを行い歯の表面の傷を修復させると歯石が付きにくくなります。

きれいな歯並びは歯石も防ぐ

歯石が付きやすい下顎の前歯は、歯並びが悪くなりやすい場所でもあります。歯周病になると歯が動き、特にこの部分は歯が重なり合う場所でもあります。できることなら部分矯正で前歯の歯並びを治すことで歯石が付きにくくなります。