歯周病の症状レベルをチェック!最適な治療法・費用・歯医者の選び方

歯周病とは

歯周病は歯周病菌が歯周ポケットに感染することによって歯の周りの骨を溶かす病気です。歯周病菌は多くの人の口の中に存在する細菌ですが、歯周病菌と体の抵抗力のバランスによって歯周病の進行は抑えられます。しかし、歯周病菌の活動が活発になったり、体の抵抗力が低下すると歯周病は急激に進行します。

歯周病の初期の時にはほとんど症状はなく、中等度以上になると歯茎の腫れや膿、口臭などの症状が起こり、重度になると歯の揺れや歯が自然に抜けるということが起こります。

歯周ポケットとは

歯周ポケットは歯と歯茎の間にある隙間のことです。この隙間から歯周病は進行します。
歯周ポケットが深くなると酸素を嫌う歯周病菌(嫌気性菌:けんきせいきん)は活発に動き、毒素を出して歯茎や歯を支えている骨を攻撃し、溶かしていきます。専用の器具を使って歯周ポケットの深さを定期的に測り、歯周病の進行を確認します。

歯周病の症状のレベルを説明

レベル1 歯磨きやデンタルフロスでたまに出血する

歯周病の初期には症状がほとんどありませんが、歯磨きやデンタルフロスを行った時に出血し、気付く方もいます。糖尿病などと同じように中等度以上にならないと口の中の変化が現れにくいのです。そのため体の健康のために定期的に血液検査を行うように、歯周病も歯周ポケットを定期的に測定する必要があるのです。
初期の歯周病は歯周ポケットが3mm以内です。

レベル2 歯茎からの出血や腫れ、歯茎下がりがある

中等度の歯周病になると歯茎からの出血や腫れ、痛み、歯茎下がり、揺れ、物が詰まる、歯がしみるという症状が出てきます。痛みや腫れは出たり引いたりするので、そのまま放置してしまうと重度に移行します。また、中等度になっても症状が現れない方もいますので、定期的に歯医者で検診する必要があります。
歯周ポケットが4mm以上になります。

 

レベル3  歯が揺れたり、口臭や腫れが強くなる

歯周病が重度になると歯が揺れ、腫れや口臭も強くなります。重度になると常に歯茎から膿が出続けます。場合によっては自然に歯が抜けてしまう方もいます。
歯周ポケットは10mm近くになります。

歯周病のレベルごとの治療法

レベル1の治療法 デンタルフロスの使用と歯石除去

歯石や歯周病菌を徹底的に減らす

歯周ポケットに隠れている歯石や歯周病菌を徹底的に取り除き、歯周病菌の量を減らすことによって、歯茎に抵抗力が戻り、歯周ポケットは浅くなります。
歯石は歯垢が唾液の成分や血液と結びつき、固まった軽石のようなものです。歯石そのものが歯周病の原因にはなりませんが、歯石が歯周病菌の住みかとなり歯周病を悪化させます。特に血液と結びついた歯茎の中にある歯石(歯肉縁下歯石・しにくえんかしせき)があると歯茎の腫れを起こし、歯周病が改善しないので、徹底的に取る必要があります。

期間・費用

治療回数・・・歯石を取るのに2〜6回程度です。
費用・・・保険診療3割負担の方で1回の診療分が2,000円〜3,000円程度です。

レベル2の治療法 溶けた骨の再生

溶けた骨を再生させる歯周組織再生療法

歯の周りの骨が溶け歯周ポケットは深くなり酸素が届きにくくなると歯周病菌はより、活発になり、歯周病の進行は早くなります。溶けてしまった骨を再生させて歯周病菌の住みかをなくすのが歯周組織再生療法です。
歯茎を切開し、深くなった歯周ポケット内を徹底的に清掃し、エムドゲインという薬や人工の骨を使い、溶けてしまった骨を再生させます。

処置時間と費用

処置時間・・・1時間程度です。
費用:自費診療のみで10~15万円程度です。

治療例

レントゲンでは点線で囲まれている根と根の間の部分が黒く抜けています。黒く抜けている部分は歯周病により歯の根と根の間の骨が溶けてなくなっている状態です。

 歯周組織再生療法を行うことによって、歯の根と根の間の骨が再生しています。

保険外診療となり5万円から15万円程度になります。処置時間は1時間くらいです。その後、消毒や抜糸で数回かかります。

噛み合わせを安定させ歯の揺れを防ぐ

歯周病によって歯の周りの骨が溶かされると、歯が揺れてきます。揺れのある歯は歯周ポケットが広がり、歯周病菌が感染しやすくなります。歯の揺れを防ぐために被せ物で歯をつないだり、接着剤で固定をし、歯の揺れを防ぐ必要があります。

期間・費用

治療期間・・・3ヶ月程度です。
費用・・・保険外診療となり、1本10万円程度に本数分です。

レベル3の治療法  抜歯

周りの歯に悪い影響がある歯は抜歯する

重度に進行した歯周病の歯が残っている歯の周りの骨まで溶かしてしまうようであれば、抜歯をお勧めします。できるだけ歯は残したほうがいいのですが、歯を残すことによって、周りの歯や顎の骨、副鼻腔などに歯周病菌が広がる可能性がある場合は抜歯をお勧めします。

残っている歯の負担を軽減するためにインプラントを考える

歯周病で歯を失うと残っている歯に噛み合わせの負担が大きくなり、歯周病の進行が早くなります。残っている歯の負担を減らすにはインプラント治療が適しています。インプラントが噛み合わせの負担をしてくれることで、バランス良く噛むことができ、残っている歯の寿命を延ばすことができます。詳しくは「インプラントが残っている歯を守る!治療法・費用・歯医者の選び方」を参考にしてください。

期間・費用

治療期間・・・4ヶ月程度です。
費用・・・保険外診療となり、1本30~45万円程度に本数分です。

歯周病の薬の治療の効果

歯周病に対する薬の治療は一時的に歯周病菌を殺菌・消毒するものです。全ての歯周病菌が死ぬわけではなく数時間程度、歯周病菌が増えるのを抑える程度だと思って、使ってください。

主な成分 効果時間 効果
リステリン アルコール 30分程度 一時的な殺菌
パーフェクトペリオ 次亜塩素酸 30分程度 一時的な殺菌
ジスロマック 抗生物質 2週間程度 体の中からの殺菌(耐性菌に注意)

リステリンは歯周病に効果があるのか⇨わずかな効果

リステリンはアルコール成分が多いために歯茎が腫れている状態ではお勧めできません。歯茎の腫れが引いて、歯垢をしっかり歯間ブラシ等で取り除いた上で、リステリンを使うのであれば多少の効果があるかもしれません。

歯周病菌を徹底的に除去した後にリステリンを使うことは多少の効果はあるかもしれませんが、使わなかった時と比べてほとんど変わりません。口の中の歯周病菌は粘着質の膜に覆われています。

パーフェクトペリオで歯周病は治るのか⇨一時的な効果

パーフェクトペリオの効果は「10秒で口の中の全ての歯周病菌や虫歯菌を殺菌し、常在菌は殺さない」とのことですが、これほどの効果があれば歯周病学会や海外からの研究成果が出てもおかしくはないはずですが、今の所ありません。誇大広告と多くの歯医者には捉えられています。次亜塩素酸は細菌に対する消毒効果があるものなので、歯周ポケット内を定期的に洗浄する目的であれは多少の効果は期待できます。

抗生物質のジスロマックで歯周病は治るのか⇨耐性菌に注意

ジスロマックという抗生物質で歯周病菌を殺し、歯周病を治すという治療法です。抗生物質は体の細菌を一時的に殺す作用があります。しかし、抗生物質を使い続けると抗生物質が効かない耐性菌というものが生まれます。このような治療が継続的に行われることによって、もし、体に異常が生じた場合、抗生物質が効かなくなる可能性もあります。できれば薬は必要最小限にしたいものです。

そのほかの歯周病の治療法

レーザーで歯周病は治るのか⇨一時的な効果

レーザーの先端を歯周ポケットに入れレーザーが届く範囲の細菌を減らす効果があります。また血行促進効果によって歯茎の抵抗力を改善する効果があります。ただし、効果は一時的なので、例えば歯周病が治りにくい部分に定期的にレーザー治療を行うという治療法になります。

歯周病治療が得意な歯医者選び方のポイント

・丁寧な検査をしてくれる歯医者

歯周病は歯周ポケットの深さや変化を見逃してしまうと、一気に進行してしまうことがあります。ただ、歯石を取るだけでなく、歯周ポケット検査、レントゲン検査、細菌検査などを定期的に行い、歯茎の変化を常に観察してくれる歯医者がおすすめです。

・毎回歯ブラシ指導をしてくれる歯医者

歯周病治療には自分自身が毎日、歯垢を取り除かなくては決して治りません。治療のたびに歯垢の取り残しを指摘し、ブラシの当て方や、歯間ブラシの使い方を指導してくれる歯医者がおすすめです。

・定期的なメンテナンスをしてくれる歯医者

歯周病は一度改善しても再発しやすい病気です。改善した状態を維持するには定期的なメンテナンスが欠かせません。治療だけでなくその後のアフターフォローをしてくれる歯医者がおすすめです。

・写真や動画で自分の歯の状態を説明してくれる歯医者

歯周病は急激に進むものではなく、ゆっくりと時間をかけて進行します。写真を残すことによって、歯周病の進行があるのか、ないのか、現状維持できているのかなど資料を保存してくれるところがおすすめです。

注意点

歯周病は歯の表面を覆っているバイオフィルムという膜に歯周病が感染して起こる感染症です。どのような治療や薬を使っても、再感染は起こります。そのため定期的にこの感染したバイオフィルムを除去することが歯周病治療で最も重要なことです。