癒合歯とは?子供に癒合歯が見つかった時の3つのリスクと3つの対策

癒合歯とは本来1本ずつ生えてくる歯が2本くっついて生えてしまっている歯のことを言います。癒合歯は乳歯において頻度が多く現れ、検診で癒合歯と診断されるお子さんは多いです。お母さんは初めて聞く病名に心配になりますね。癒合歯がある場合、正常に生えた子と比べ、永久歯への生え変わりの時期や歯並びに大きく影響する場合があるんです。後から生えてくる永久歯に問題がでることがあります。ここでは頻度の高い乳歯の癒合歯に焦点をあて、起こりうる3つのリスクとそれぞれの対応策をご説明していきます。

癒合歯とは

隣同士の歯と歯がくっついて1本の歯のようになってしまったものを癒合歯と呼びます。永久歯よりも乳歯に良く見られ、乳歯での発現率は高く4%程度です。癒合歯の原因は未だはっきりと解明されていません。母親のお腹の中にいる胎児の時に乳歯の卵が作られその時にくっついた状態になったと言う説が一般的です。

癒合歯の発現する場所は主に前歯

癒合歯が起こる場所は主に乳歯の下の前歯です。他にも乳歯の上の前歯や永久歯、過剰歯などにも起こる場合があります。

 症例1 下の歯のAとBの癒合歯

症例2 両方にある下の歯のAとBの癒合歯

症例3 上の歯のBと過剰歯の癒合歯

症例4 永久歯の癒合歯

癒合歯があることで起きる3つのリスク

乳歯の下の永久歯がない場合があります

癒合歯自体は問題はありませんが、その後生えてくる永久歯に問題があります。45%の確率で癒合歯の後から生えてくる永久歯が存在しないと言うデータがあります。乳歯の前歯の根っこは通常は1本。2本であれば2本の根っこが存在します。

しかし、癒合歯は隣同士がくっついているため1本の根っこの状態になっています。乳歯の存在を確認してから出来始める永久歯は2本分できずに1本分のみで1本永久歯が存在しなくなるようです。 その結果、将来的に歯の数が正常ではなくなり歯並びや噛み合わせに影響がでる可能性があります。

田中丈也 大東史奈 宮本愛子 桒原康生:乳歯癒合歯または先天性欠如と後継永久歯との関係、小児歯科学雑誌 50(3): 243−248 2012 243

永久歯とうまく生え変わらないことがある

癒合歯は正常な歯よりも幅が広く次に生えてくる永久歯が小さいことも多いです。通常、永久歯自身が生えてくる時に乳歯の根っこは吸収され乳歯が頭の部分だけになり、グラグラ揺れて抜けることが自然です。癒合歯は吸収が上手くされずにグラグラ揺れてこないことがあり、永久歯の生え変わりが自然に行なわれません。

癒合している境目が虫歯になりやすい

癒合している歯の境目は溝になり、プラーク(歯垢)がたまりやすく、虫歯になりやすいです。虫歯が深くなれば神経の処置が必要になった場合は複雑で治療が困難になります。

癒合歯のリスクへの対応策

永久歯の歯の数をレントゲンで確認する

まだ乳幼児の段階では癒合歯と分っていても無理にレントゲンを撮ることや治療は必要ありません。永久歯の生え変わりが開始する時期5~6歳ころにレントゲンを撮って永久歯の有無を確認してもよいでしょう。その後、歯の数により起こりうる噛み合せや歯並びのリスクを踏まえて経過を観察していきましょう。必要あれば矯正治療なども視野に入れていきます。

レントゲンで根っこの吸収状態を確認して抜歯をする

癒合歯は上記にあるように生え変わりの時期に歯の根っこが吸収されずグラグラしない場合があります。まず、レントゲンで確認をします。後から出てくる永久歯がすぐ近くまで生えてきていながらも吸収されない根っこがあることが分かれば、癒合歯は揺れてくる可能性は低く、自然に生え変わることは難しいと言う判断で抜歯が必要になります。

癒合している境目の溝にシーラントをする

隣り同士がくっついている(癒合)境目は溝が深くプラークが溜まりやすく虫歯になりやすいため、シーラントと言うプラスチックで溝をコーティングし、虫歯のリスクを下げることもできます。歯と同じ様な色をしているので目立ちません。歯科医院のイスに一人で座れるようになれば痛みがある処置ではないので治療が可能です。定期的なフッ素塗布と歯磨きのケアもしっかりしましょう。