根管治療

根管治療とは

根管治療とは歯の根の中の根管(こんかん)治療することです。主には虫歯菌に感染している歯の神経が入っていた歯髄腔(しずいくう)を殺菌し、再度感染しないように薬を詰めることの感染根管治療(かんせんこんかんちりょう)のことを言います。しかし、神経を抜く治療の抜髄(ばつずい)も根管治療の一つです。
虫歯菌が感染し、神経が死んでしまっている根管治療の成功率は80%、再治療の成功率70%〜40%です。歯の根の中は複雑で根管治療は歯の治療の中で最も難しい治療の一つです。根管治療を何度も繰り返すことによって歯が薄くなり、割れてしまうことがあります。

症状のレベルを説明

噛むと痛い

噛むと痛い症状は神経が死んで歯の周りの歯根膜(しこんまく)に炎症が広がっている状態です。歯根膜は物を噛んだ時に固いのもや柔らかいものであるという判断ができる器官です。神経が死んで根の先から細菌や毒素が出されると歯根膜に炎症が起こり歯根膜炎(しこんまくえん)という状態になっています。

歯茎から膿がでている

根の中から毒素が出ると根の先に膿が溜まります。膿は膿の袋を作り、周りの骨を溶かします。おできのような膨らみができ、膿が出ると潰れ、膿が溜まるとおできができるという繰り返しが起こります。このおできのようなものをフィステルといいます。

歯茎が腫れる

根の先に膿が溜まり膿の出口が見つからず骨の中に溜まってしまうと歯茎が大きく腫れてしまいます。腫れが強い場合には顔の形が変わるぐらい腫れてしまうこともあります。また、この膿が副鼻腔炎の原因になることもあります。

各レベルごとの治療法

レベル1の治療法 根管治療

歯の根の中から感染した汚れや歯の壁を取り、消毒することを根管治療と言います。歯の根数は1〜数本あり、曲がっていたり、繋がっていたり複雑な形をしております。この一本一本の根の中の汚れを取り、形を整えて、再度感染しないように薬を詰めて行きます。

虫歯が大きくなり、根の先に膿の袋ができた状態です。根管治療を行い歯を残すようにします。

根の中を消毒し、薬を詰めた状態です。

レベル2の治療法 歯根端切除術

根管治療では治らない場合には歯茎から切開を入れて膿の袋を取る歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)という手術を行ないます。膿の袋と歯の根の先の感染した部分を切り取り、根の先から薬を詰めます。また、セラミックが被っていて取ることができない場合などにも使います。

最新治療 MTAセメント

MIAセメントはコンクリートの成分に近く、細菌の侵入を防ぐ封鎖性の高い材料です。歯根端切除術の時に根の先から詰める薬をMTAセメントで行うことによって成功率を高めます。

最新治療 マイクロスコープ

マイクロスコープは手術用顕微鏡です。歯根端切除術をマイクロスコープで行うと90%の成功率で、肉眼で行った場合の40%とは倍以上に成功率が上がります。

レベル3の治療法 歯牙再植術

奥歯などで歯根端切除術が行なえない場合には歯を一度抜歯し、抜歯した穴から膿の袋を取り除き、元の位置に戻す歯牙再植術を行います。奥歯に行くほど歯の根の形は複雑で、上からだけでは汚れを全て取りきれない場合が有ります。このような時に歯牙再植術を行うことによって感染源を全て取り去ることができます。

レベル4の治療法 ヘミセクション

歯の根が複数ある場合、悪くなってしまった一部の根だけを抜歯し、そのほかの根を残す方法を歯の部分抜歯(ヘミセクション)と言います。歯にヒビが入ってしまったり、割れていると根管治療をしても治りません。一部の根を抜歯することによって他の根を残す方法です。

成功率と費用

根の先に膿の袋がある時の根管治療専門医の成功率は80%、一般の歯医者ではもっと低い成功率です。2度目3度目の根管治療になると60%、40%とほとんど根管治療では治らなくなります。そのため、初めて行う根管治療を失敗させない事はとても重要な事なのです。

期間費用

保険診療の場合 治療回数1〜3回程度、保険診療3割負担の方で1回の診療分が500円〜3,000円程度です。

自費診療の場合 1根管3万円〜7万円程度、根の本数によって費用が増えます。

歯医者選び方のポイント

・神経をできるだけ残してくれる歯医者

虫歯の進行によっては神経を抜かなけばいけないこともありますが、できるだけ神経を残してくれる歯医者をおすすめします。神経を保護し、経過観察をするとどうしても治療期間が長くなります。それでも神経をできるだけ残してくれる歯医者を選ぶべきです。

・根管治療の時、ラバーダムを使ってくれる歯医者

根管治療に最も重要な事は唾液などの細菌が含まれているものが歯の根の中に入り込まないことです。それにはラバーダムは絶対不可欠です。根管治療の重要性がわかっている歯医者は必ずラバーダムを使っています。

・マイクロスコープを使ってくれる歯医者

根管治療は肉眼でば見えない部分の治療を行います。今までのように経験や勘で治療を行なっていては見落としやミスが起こります。マイクロスコープで確認しながら治療を行うことで成功率はあがります。

・虫歯治療の前に口の中の環境を整えてから治療を行う歯医者

歯茎が腫れていたり、歯石が付いている口の中で治療を行っても精度の高い治療を行うことは出来ません。虫歯治療の前に歯周病の治療を行い、出血のないキレイな口の中で治療をしてくれる歯医者は、丁寧な治療をしてくれます。

・写真や動画で自分の歯の状態を説明してくれる歯医者

歯医者で鏡を見て、どこが虫歯なのか説明されてもなかなかわかりにくいものです。虫歯の状態を写真や動画で説明してくれる歯医者はなぜ削らなくてはいけないのか、治療によってどのようになったのかをわかりやすく説明してくれる歯医者です。お互いに認識の違いでトラブルになるよりもしっかりと証拠を残してくれる歯医者がおすすめです。

予防法

根管治療は歯医者で行なわれる他の治療のなかで最も成功率が低く、精密な治療です。そのため治療が長くなったり、再治療が多くなります。最大の予防法は神経を抜かない事です。できるだけ虫歯にしないようにし、虫歯になっても神経を取らなくてはいけないほど進行させないことです。また、根の先に膿が溜まらない様にするには根管治療専門医や根管治療が得意歯医者で治療をしてもらう事です。