過剰歯とは?子供の過剰歯の抜歯をすすめる6つの理由と費用・流れ

過剰歯とは通常の歯より余分な歯があることです。特に子供の前歯が早く抜けてしまったり、抜けた後すぐに丸く尖った歯が生えてきたりして、気づく場合があります。また、歯医者のレントゲンなどで指摘されることもあります。
過剰歯はそのままにするとすきっ歯になったり、歯並びを悪くすることもあるので基本的には抜歯をしたほうがいい歯です。
過剰歯を抜歯するタイミングは5歳から7歳くらいで初めても麻酔や抜歯のお子さんも多いと思います。また、過剰歯の生える方向によっても抜歯の痛みや時間は変わります。
過剰歯の発生率は3%と比較的高いものです。今回は特に子供の歯並びに影響を与える正中過剰歯(せいちゅうかじょうし)についてお伝えします。

過剰歯とは

過剰歯とは名前の通り、過剰な歯で本来の歯よりも余分にある歯のことです。特に前歯の過剰歯である正中過剰歯は前歯の歯並びを悪くすることが多く、早めに抜歯することが多い歯です。
子供の乳歯は20本、大人の永久歯は親知らずを含めて32本、これよりも多くある歯を過剰歯と呼びます。

  • 男性に多く、女性に少なくなります。
  • 発生率は3%程度です。

過剰歯の見た目の特徴

  • 上の歯の真ん中に最も多く、次に親知らずの後ろ、稀に下の歯の小臼歯に見られます。
  • 1本が多く、稀に2本ある場合があります。
  • 形は小さく三角形や丸い形が多いが、稀に正常な歯と同じ大きさのこともあります。
  • 永久歯に多く認められ、稀に乳歯の時もあります。
  • 生える方向は他の歯と同じ方向(順生)と他の歯と違う方向(逆性)があります。

過剰歯の原因

歯が作られるとき、顎の骨の中で歯の卵(歯胚・しはい)が余分に作られたり、 何かの原因で二つに分かれたりすることで過剰歯ができます。女性よりも男性に多く、原因は今のところわかりません。

過剰歯を抜くか抜かないかの判断は

過剰歯を抜くか抜かないかの判断は正常な永久歯に悪さをするかしないかです。歯並びを悪くしたり、永久歯の根を溶かしたりするようであれば、早めに抜歯した方がいいでしょう。永久歯に悪さをしないようであれば抜歯をせずにそのままにすることもあります。骨の中に止まっていることもあるからです。

また、大人になってからの抜歯は過剰歯が骨の深くに進んでいたり、骨が固くなったりして、子供の時に抜歯するよりも大変になることもあります。

過剰歯を抜歯したほうがいい6つの理由

子どもに過剰歯が見つかると歯医者で抜歯をすすめられることが多いと思います。それは過剰歯には多くのリスクがあるからなのです。

前歯の永久歯が出てこない

過剰歯があると乳歯が抜けても永久歯がなかなか出てこないことがあります。これは過剰歯が上顎の真ん中にあることが多く、その場所に生えてくるはずの永久歯が骨の中に止まって出てこれないのです。

例えば片方の前歯の永久歯が出ているのに、もう片方は出てこない、こんな時はレントゲンで過剰歯がないか確認してもらってください。もし過剰歯が見つかれば、抜歯すると出ていなかった永久歯は自然に出てきます。

前歯の歯と歯の間が開いてしまう

過剰歯があると永久歯の前歯と前歯が開いてすきっ歯になることがあります。過剰歯が永久歯より先に上顎の真ん中にあるため、後から生えてくる永久歯が、過剰歯をよけて生えてくるため、前歯と前歯の間が開いてしまいます。

過剰歯がなくても永久歯はすきっ歯で出てきますが、奥の歯が出てくるに連れて前歯のすき間は閉じてきます。糸切り歯(犬歯)が生えても前歯が閉じないようであれば、過剰歯がないか確認してもらってください。

永久歯の根を溶かしてしまう

過剰歯がある場所が悪くて、永久歯の根の方向に過剰歯が食い込んでくると、永久歯の根は徐々に溶けてしまいます。過剰歯の頭の部分は硬いエナメル質でおおわれていますが、永久歯の根の部分は柔らかい象牙質で、過剰歯が根に食い込んでくると永久歯の根の方が溶けてしまい、永久歯が揺れてきたり、神経が死んでしまうことがあります。

過剰歯の周りにのう胞ができる

過剰歯が骨の中にとどまると、過剰歯の周りを取り囲むような袋(含歯性のう胞・がんしせいのうほう)ができることがあります。この袋が大きくなると永久歯の根を圧迫し、溶かすことがあります。

過剰歯が鼻の空洞に生えてくる

逆さ向きの過剰歯(逆生)は、どんどん鼻の奥の方へ進み鼻の空洞へ出ることがあります。他の歯と同じ方向に生えてくる過剰歯(順生)はお口の中に生えてきますが、逆生は骨の中に潜る方に進んでしまうため、最後は鼻の空洞に生えることがあります。ただし、ほとんどは骨の中で止まってしまうことが多いようです。

永久歯の根の先から細菌が入り込む

永久歯が虫歯になって神経が死んだとき、根の近くに過剰歯があると、細菌が過剰歯についてしまい、大きく腫れることがあります。こうなると永久歯の根の治療だけでは治らないので、過剰歯ごと抜歯をしなくてなりません。

過剰歯の抜歯の流れ

乳歯が早くに抜けてしまい、レントゲンで確認したところ2本の過剰歯が見つかった事例を紹介します。

STEP1 乳歯が抜け、過剰歯が生えてきました。

子供が4歳くらいに乳歯の前歯が早めに抜けたり、6歳くらいに小さい永久歯が生えて来た時に気づくことが多い過剰歯です。

STEP2 反対側の乳歯も抜け、過剰歯が生えてきました。

二本の過剰歯です。生えている方向は他の歯と同じ方向(順生)です。

レントゲンを撮影すると2本の過剰歯があります。

STEP3 麻酔をし、抜歯をします。

表面麻酔と通常の麻酔をし、抜歯をします。時間は5分程度で終了します。

今回は過剰歯が他の歯と同じ方向(順生)を向いている過剰歯なので、待っていると生えてくるので、ある程度生えてから抜歯します。抜歯をする時間は5分程度で乳歯の抜歯と変わりませんし、痛みもほとんどありませんが、心配であれば麻酔が切れる前に痛み止めを一度飲んでおくと安心です。

しかし、他の歯と向きが反対の方向(逆性)の場合は歯茎の中に潜っていく方向に動くため、早めに抜歯することが必要です。抜歯時間は過剰歯の深さにもよりますが20〜30分程度です。

STEP4 永久歯が萌出するのを待ちます。

過剰歯を抜歯後も永久歯の歯並びに影響が出ることもあります。必要であれば矯正治療を行います。

逆性過剰歯の抜歯の場合

子供が7歳くらいに永久歯の前歯がうまく生え変わらなかったり、前歯と前歯の間がすきっ歯になったりして気づくことが多い過剰歯です。

過剰歯が他の歯と逆の方向(逆生)に向いて生えている過剰歯は、自然には出てこれません。徐々に歯ぐき中の深い方向へ進んで行ってしまうので、他の永久歯の根がある程度出来上がったところで抜歯します。

抜歯する際は上顎から歯ぐきを開いて、骨を削り抜歯します。抜歯する時間は20~30分程度で骨の中にどれだけもぐっているかで変わります。痛みは出ますので、抜歯した日は痛み止めを飲んだ方が安心です。腫れることはあまりありませんが抗生物質も飲みます。

過剰歯抜歯の費用

【出ている過剰歯】1〜2千円程度です。(保険診療3割負担の場合)

【潜っている過剰歯】3千円程度です。(保険診療3割負担の場合)CTレントゲンで確認する場合は3千円程度が追加でかかります。